第26回 騒音障害防止研究会[2022年11月11日、東京]

・耳栓遮音性能測定装置(フィットテスト)の開発
上松葵、中市健志
聴覚保護具の装用効果を確認するフィットテストは、着用した耳栓の遮音値を得ることができ、耳栓の適切な運用に対して非常に効果的であるが、作業環境測定士などの騒音に 対して豊富な知識を持つ人に対して有効である一方、あまり知識を持たない人にとっては得られた結果を聴覚保護具の選定や訓練に反映しにくく、フィットテストの運用を妨げ ている可能性がある。騒音データと耳栓の性能と個人ごとの耳栓の遮音値から容易に耳栓の選定、訓練が行えるシステムの開発を目指し予備的検討を行った。

・騒音性難聴防止のためのリスクマネジメントの提案
中市健志、上松葵
騒音性難聴は騒音に晒されることにより発症する。騒音性難聴を効果的に予防するために、有害因子(騒音)のばく露量と生体への影響(聴力閾値)を測定する必要があるが、これらの情報を適切に管理する手法について、ばく露量、聴力閾値、聴覚保護具の使用状況などを管理可能なシステムの開発を目指すため、騒音障害に関する文献調査を行い、騒音障害聴防止のためのリスクマネジメントの手法の必要性について検討した。

・ハンドグラインダー作業とプレス加工作業における作業環境測定と騒音ばく露測定結果の比較
東久保一朗(中央災害防止協会)、上松葵、山下大輔、馬屋原博光、佐藤成、中市健志
令和4年3月22日に厚生労働省より「騒音障害防止のためのガイドライン見直し方針」によると,騒音源が常時移動する場所等の条件下で作業環境測定以外の個人ばく露測定による騒音レベルを選択することも可能となるため,別表2の(3)携帯用研削盤(ハンドグラインダー)作業と(4)動力プレス作業を対象に作業環境測定と個人ばく露測定を同時に実施したので結果を報告した。